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就職・採用活動についての「申合せ」「倫理憲章」

平成24年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業予定者の就職・採用活動について、大学等の「申合せ」及び企業の「倫理憲章」が定められました。


平成23年10月7日
就職問題懇談会

平成24年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)

大学、短期大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)は、学生に高い学力と豊かな人間性を身につけさせた上で卒業生・修了生としてグローバル化をはじめ、複雑多様化した社会に送り出すという、本来果たすべき社会的使命と責任を十分に認識し、その責務を果たすため、就職活動の秩序を維持するとともに、正常な学校教育と学生の学修環境を確保することが重要である。

この度、国公私立大学等で構成する就職問題懇談会は、こうした大学等の社会的責任を全うするとともに、学生がその個性や適性とともに大学等で身につけた資質能力を十分に生かして、社会に貢献することのできる適切な職業選択を行う機会を確保するため、また高等学校卒業予定者の就職活動にも配慮し、平成24年度卒業・修了予定者の就職活動について、下記のとおり申し合わせる。各大学等においては、全教職員が協力し、全学的にこれを実行することを確認する。

  1. 1.就職・採用活動の早期化是正について

    (1)就職・採用活動の早期化是正について

    学校教育上重要な時期である卒業・修了年次当初及びそれ以前は、学内及び学外で企業が実施する採用選考のための「企業説明会」(名称に関わらず、実質的に採用選考のための説明会を指す。)に対して会場提供や協力を行わない。

    一方で、企業の採用情報等の発信を目的とした採用広報のための説明会等を大学等の協力の下に実施する場合は、参加の有無がその後の選考に影響しないことを学生に対して明示する。さらに、卒業・修了前年度の3月より前に行う企業の活動については、採用に直結しない、学生の職業観や勤労観の育成を図るための業界研究や企業研究に資する企業の一般的な広報活動であることの確認をすること。

    これらの趣旨を踏まえ、学生に対する就職指導を適切に行う

    (2)学校推薦の取扱いについて

    学校推薦は、原則として7月1日以降とする

    (3)正式内定開始について

    正式内定日は、10月1日以降である旨学生に徹底する。正式内定に至るまでの間においては、複数の内々定の状態が継続しないよう、学生を指導するとともに、9月30日以前の内々定は学生を拘束しないものである旨徹底する。

  2. 2.就職・採用活動の公平・公正の確保について

    (1)学生の応募書類について

    学生の応募書類は、「大学等指定書類(『履歴書・写真・自己紹介書』、『成績証明書《卒業見込証明書を含む》』)」とし、企業に対して、就職差別につながる恐れのある項目を含む「会社指定書類」《エントリーシート等を含む》、「戸籍謄(抄)本」、「住民票」等の提出を求めないよう要請する。

    (2)男女雇用機会均等について

    採用活動は、男女雇用機会均等法及びその指針の趣旨に則って行われるべきであり、その旨を企業側に徹底するよう要請する。特に、総合職採用における女子学生への配慮を要請する。

  3. 3.その他の事項について

    (1)職業観や勤労観の涵養について

    学生個々人の個性や適性に応じた職業を学生自ら選択できる能力の育成や学修意欲を高めるため、学生の職業観や勤労観を涵養することは重要であり、大学等においては教育課程の実施や厚生補導を通じてキャリア教育やインターンシップを推進する。

    また、大学等において学生の職業観・勤労観の育成等の取組等を行う場合には、企業の採用活動とは切り離した形での特段の教育的配慮をもって行う。

    (2)「申合せ」の周知について

    各大学等は、学内の教職員はもとより、学生への周知徹底を図るとともに、企業等に求人依頼文書を発送する際、この「申合せ」を添付し、その趣旨の理解を図る。

    (3)就職・採用活動の改善に向けて

    今回の東日本大震災を受け、多くの企業が採用活動について柔軟に対応するなどの措置をとった。その状況等も踏まえ、正常な学校教育と学生の健全な学修環境を確保するため、就職問題懇談会は、大学等が要請する就職・採用活動の改善に向け、引き続き企業側との協議を行うこととする。

採用選考に関する企業の倫理憲章

2011 年3月15 日改定
(社)日本経済団体連合会

企業は、2013 年度入社以降の、大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考にあたり、下記の点に十分配慮しつつ自己責任原則に基づいて行動する。

  1. 1.公平・公正な採用の徹底

    公平・公正で透明な採用の徹底に努め、男女雇用機会均等法に沿った採用選考活動を行うのはもちろんのこと、学生の自由な就職活動を妨げる行為(正式内定日前の誓約書要求など)は一切しない。また大学所在地による不利が生じぬよう留意する。

  2. 2.正常な学校教育と学習環境の確保

    在学全期間を通して知性、能力と人格を磨き、社会に貢献できる人材を育成、輩出する高等教育の趣旨を踏まえ、採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する。

  3. 3.採用選考活動早期開始の自粛

    学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動の早期開始は自粛する。具体的には、広報活動ならびに選考活動について、以下の期日より早期に行うことは厳に慎む。

    なお、以下の開始時期に関する規定は、日本国内の大学・大学院等に在籍する学生を対象とするものとする

    (1)広報活動の開始

    インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信以外の広報活動については、卒業・修了学年前年の12 月1日以降に開始する。それより前は、大学が行う学内セミナー等への参加も自粛する。また、広報活動の実施にあたっては、学事日程に十分配慮する。

    (2)選考活動の開始

    面接等実質的な選考活動については、卒業・修了学年の4月1日以降に開始する。

  4. 4.広報活動であることの明示

    12 月1日以降の広報活動の実施にあたっては、当該活動への参加の有無がその後の選考に影響しないものであることを学生に明示する。

  5. 5.採用内定日の遵守

    正式な内定日は、卒業・修了学年の10 月1日以降とする。

  6. 6.多様な採用選考機会の提供守

    海外留学生や、未就職卒業者への対応を図るため、通年採用や夏季・秋季採用等の実施など、多様な採用選考機会の提供に努める。

  7. 7.その他

    (1)高校卒業予定者については教育上の配慮を最優先とし、安定的な採用の確保に努める。
    (2)インターンシップは、産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するために実施するものである。したがって、その実施にあたっては、採用選考活動(広報活動・選考活動)とは一切関係ないことを明確にして行うこととする。
  8. ※本倫理憲章の内容は、2013 年度入社以降の採用選考活動を対象としている。2012 年度入社までの採用選考活動については、2009 年10 月20 日改定の「倫理憲章」及び2010 年9月14 日改定の「参考資料」を参照されたい。

以上

採用選考に関する企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料

(社)日本経済団体連合会
2009年10月20日制定
2011 年3月15 日改定

日本経団連では、1997 年に「採用選考に関する企業の倫理憲章」を定めて以降、毎年、採用選考活動の早期化の自粛を呼びかけてきた。本資料は、倫理憲章の理解を一層深めていただくために作成したものであり、2011 年3月の倫理憲章改定を踏まえて必要な修正を行った。各社の実情に応じ、採用選考活動の早期開始の自粛など、倫理憲章の遵守への一層のご協力をお願いしたい。

日本経団連は、今後も倫理憲章のさらなる周知徹底をはかり、産業界が一体となった取り組みとなるよう努めていく。

  1. 1.広報活動について

    (1)広報活動とは

    企業が行う採用選考活動は、一般に広報活動と選考活動に大別することができる。

    広報活動とは、採用を目的として、業界情報、企業情報などを学生に対して広く発信していく活動を指す。本来、こういった情報は可能な限り速やかに、適切な方法により提供していくことが、ミスマッチによる早期離職の防止のためにも望ましいものである。しかし、昨今の早期化ゆえの長期化による過熱化が著しいことに鑑み、倫理憲章では、インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信以外の広報活動の開始時期について規定したものである。

    一方、こうした広報活動の実施に際しての制約は、それが実質的な選考とならないものとすることである。具体的には、会社説明会などのように、選考活動と異なり学生が自主的に参加または不参加を決定することができるものが該当すると考えられ、実施にあたっては、その後の選考活動に影響しない旨を明示するとともに、土日・祝日や平日の夕方開催など、学事日程に十分配慮することが求められる。

    (2)広報活動の開始時期について

    倫理憲章では、「3.採用選考活動早期開始の自粛」において、「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信以外の広報活動については、卒業・修了学年前年の12 月1日以降に開始する。」としている。

    この開始期日の起点は、自社の採用サイトあるいは就職情報会社の運営するサイトで学生の登録を受け付けるプレエントリーの開始時点とする。したがって、12 月1日より前には学生の個人情報の取得や、それを活用した活動は一切行えない。

    また、12 月1日より前に行うことができる活動は、HP における文字や写真、動画などを活用した情報発信、文書や冊子等の文字情報によるPR など、不特定多数に向けたものにとどまる。なお、12 月1日以降に実施予定の広報活動のスケジュールを事前に公表することは可能である。

    (3)広報活動であることの明示について

    12 月1日以降に行う広報活動については、学生が自主的に参加の可否を判断できるよう、その後の選考活動に影響を与えるものではないことを十分周知した上で実施することが求められる。具体的には、広報活動を行う際の告知・募集の段階と実施時の段階の双方において、当該活動が広報活動として行われる旨を、ホームページや印刷物への明記、会場での掲示や、口頭による説明などの形で学生に周知徹底する必要がある。

    なお、広報活動であることを示す場合の内容としては、以下のような例が考えられる。

    【会社説明会の場合の明示例】

    ○明示する場面
     ①開催の告知・募集段階
     ②開催当日の案内(口頭、会場における掲示など)

    ○具体例
     例1)「この説明会は、学生の皆さまに今後の就職活動を行う上での参考として、当社や業界の状況をご理解いただくための広報活動の一環として開催するものであり、本説明会への参加の有無が今後の採用選考のプロセスに影響するものではありません
     (あるいは、破線部分に替えて)
     参加しなかったからといって、今後の採用選考上不利に働くことはありません
     例2)「この説明会は、広報活動の一環として、当社の事業やCSRへの取組みなどについて理解を深めていただくために行うものです。説明会への参加は任意であり、参加者の方々を対象に選考を行うことはいたしません」

  2. 2.選考活動について

    (1)選考活動とは

    選考活動とは、一定の基準に達した学生を選抜することを目的とした活動を指す。

    (2)選考活動の開始時期について

    倫理憲章では、「面接等実質的な選考活動については、卒業・修了学年の4月1日以降に開始する。」としている。

    ここで言う早期開始を自粛すべき「実質的な選考活動」とは、活動の名称や形式等を問わず、実態で判断すべきものであり、具体的には、①選考の意思をもって学生の順位付けまたは選抜を行うもの、あるいは、②当該活動に参加しないと選考のための次のステップに進めないものを言う。

    ただし、WEB テストやテストセンターの受検、エントリーシートの提出など、日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられているものについては、学事日程への影響がない場合もあるため、当該活動が早期開始を自粛すべきか否かの検討を行う際には、倫理憲章の趣旨を十分に踏まえた上で、各企業が活動の実態に合わせて適切に判断することが求められる。

  3. 3.多様な採用選考機会の提供について

    倫理憲章では、海外留学生の帰国後の就職活動への対応が求められていることや、2010 年11月に「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」が改正され、未就職卒業者の新卒採用扱いでの応募機会提供への努力規定が設けられたことを受けて「6.多様な採用選考機会の提供」の項目を追加している。企業はこれらの対応にあたり、各社の実態に応じた努力を継続していくことが求められる。なお、卒後3年以内の未就業者の取り扱いについても、上記の指針を踏まえつつ、自社の実情や採用方針に則り、適切な対応を行うことが望ましい。

  4. 4.その他

    ◇インターンシップについて

    倫理憲章では、「7.その他」において、インターンシップについて、「産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するために実施するものである。したがって、その実施にあたっては、採用選考活動(広報活動・選考活動)とは一切関係ないことを明確にして行うこととする。」としている。

    現状行われているインターンシップをみると、就業体験の提供を行うもののほか、企業の広報が中心になっているものも実施されており、従来の本参考資料では、両者を含めて広報活動の一環であると位置付けていたところである。しかし、今般、就職・採用活動の過熱化の是正に向けて、12 月1日より前の広報活動の自粛を倫理憲章上で規定したことに基づき、インターンシップと称して企業広報の一環で行っているものは、12 月1日以降に実施するよう求めることとした。したがって、今後は混乱を避けるためにも、12 月1日以降に行う企業広報としてのプログラムについては、インターンシップの呼称を使わないことが望ましい。

    なお、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(平成9年9月18 日文部省・通商産業省・労働省)」、「インターンシップの導入と運用のための手引き(平成21 年7月文科省)」等を踏まえて考えると、本来の趣旨である就業体験として12 月1日より前に実施するインターンシップは、以下のような条件を満たしたプログラムであることが求められる。

    【就業体験としてのインターンシップの在り方】

    学生の就業体験の提供を通じた産学連携による人材育成を目的とすることに鑑み、当該プログラムは、5日間以上の期間をもって実施され、学生を企業の職場に受け入れるものであること。

    加えて、就業体験の提供であることを明確化するために、実施の際には、採用選考活動と関係ない旨をホームページ等で宣言した上で、以下の取り組みを併せて行うことが求められる。

    ・採用選考活動と明確に区別するため、告知・募集のための説明会は開催せず、また、合同説明会等のイベントにも参加しない。また、告知・募集は、ホームページなどWEB 上や、大学等を通じて行う。

    ・募集から実施までを通して、当該活動が就業体験の提供であり、採用選考活動とは無関係である旨の周知徹底を図り、参加する学生から活動の趣旨について書面等での了解を得る。

    ・学生の就業体験の提供を通じた産学連携による人材育成を目的としていることが分かるよう、可能な限り詳細にプログラム内容を一般に公開する。

    ・インターンシップに際して取得した個人情報をその後の採用選考活動で使用しない。

    ・大学等のカリキュラム上、特定の年次に行う必要がある場合を除き、募集対象を学部3年/修士1年次の学生に限定しない。

以上